2012年5月31日木曜日

Ruy Lopez 二連発

今日は暇だったので、ロングゲームを二回した。 やはりロングゲームの方がBlitz, Bullet, 15mといった短い時間のゲームより圧倒的に面白い。 

 コーチとレッスンを始めてからは自分のゲームの分析をすることになっているので、ブリッツや15mのゲームをもっていって分析をしてもあまり意味がない。 したがって、分析するためのロングゲームを用意するための意味もあった。 また、勝ったゲームを一緒に分析してもあまり意味はないだろうから、負け試合をもっていこうとレーティングの高い相手と二戦。結果は、1勝1敗。片方はコンピューターで、片方は対人。コンピューターとの試合は、途中まで勝っていたが、結局負けた。それも、勝勢になった途端に集中力が完全消滅して、避けなければならないと思っていたBlunder連発。
 エンドゲームの練習も兼ねて続ければよかったが、もはや脳HPがゼロだったのでリザイン。 とはいえ、正直な感想としては、レーティング1700のコンピューターでも普通に戦えるということに驚く。15mなら勝てないだろうけれど、ロングゲームでしっかりと考えてやれば戦える。

 集中力が切れたというのは単なる言い訳だが、ロングゲームをやっていると、集中力を維持することも大切だと感じた。 感想としては、集中力を維持し、かつ、とりあえずBlunderをしないということを意識するだけで、相当にマシなゲームができるのではないか。

 偶然、二戦ともRuy Lopez(黒番)となった。 私は、白なら1.e4、黒なら1...e5しかやらないので、Ruy Lopezのメインラインはなんだかんだで十数手ぐらい手を覚えてしまったが、 Closed Ruy Lopezから続く局面は個人的に好きだ。 私のような素人が言っても説得力がないが、ポジションが豊かというか、考えていて面白いような局面が多い。 今回のゲームでは、片方がChigorin Defence、もう一方がBreyer Defenceになった。 いつも、Chigorinばかりなので、はじめて、Breyerをやってみたが、こっちの方がやりやすいような気がする。





2012年5月30日水曜日

ミスを減らすために 2

1.ミスを減らそう 2
 前回の記事でダラダラと書いたが、結局、Blunderを極力減らすということが現状で最も必要なことだと思う。そして、そのためにミスをしないための思考方法を確立する。ただ、どういったやり方でも、意識して考えてプレイすると結構時間がかかる。 結局、ロングゲームをすべきということになるのだろう。
 Dan Heismanの記事か何かに書かれていたが、上級者になればなるほどミスをしないためのチェックの時間が減少していくらしい。そして、相対的に、candidate movesから自らの手を選ぶための時間が増加するらしい。 おそらく、ミスをしないための努力は最初は時間がかかるが、次第に慣れによってそれほど労力と時間をかけずに済んでいくことになるのだろう。
 Blunderをしないということに慣れてきたら、より本格的にストラテジーの学習などを取り入れたら効果があるのだと思う。 壮大なプランを立て、長期的戦略を立てたとしても、blunder一つで全て無駄になる。そういったことについて考えるのは、注意ミスによるblunderをほとんどしなくなった段階で学習することで十分なのだろう。
 したがって、しばらくは、継続してblunderをしないということを中心的な課題としていきたい。

2.ロングゲームの楽しみ
 先日と今日、試しに45m45sでICCでプレイした。相手が全く見つからなかったので、コンピューターと対戦。
 ロングゲームをやると、より入念に考えることができて面白い。 何より、Candidate Movesというものの意味を、ロングゲームをするようになってやっとわかったような気がする。 というのも、15mぐらいのゲームだとそれほど時間がないので、候補手を比較検討して選ぶという作業をほとんどしなかった。それに対して、ロングゲームだと時間があるから、 Blunderをしないかチェック → タクティクスがないかチェック → candidate movesの選定、という作業を行なっていても時間がなくならない。
継続してロングゲームを続けたい。




※作りたてのアカウントなので、レーティングは仮レーティング。 勝勢になってからは、大分適当にプレイ。

2012年5月29日火曜日

ミスを減らすために 1

chess.comでStandard 15m10sをやっていると、レーティングが1450ぐらいまでは頻繁に行くが、それ以上は伸びない。結局、1400~1450あたりをさまよっている。 レーティングもうまくできているものだと思う。 振れ幅としてある程度はいったりきたりしても、自分の実力の限界あたりまで来たらそれ以上は上昇しない(偶然によって瞬間的に上昇する場合もたまにあるが)。 そして、「君はこのレーティングあたりの連中と同じぐらいの実力です」と宣告されているかのように、ある程度のレーティングで落ち着く。

 私の場合でいえば、「お前は1400ぐらい」とchess.comに宣告されて、1400付近の実力ということなのだろう。 とはいえ、1400付近でそのまま何の上達もなくそこで終了というのも嫌である。できれば、早くこのレーティングレンジからおさらばしたいものである。 そのためには、何が私を1400程度にたらしめているのかということを理解する必要がある。そして、あわよくばそれを改善できれば良い。

 自分のゲームの棋譜をFritzにぶちこんで一番最初に気付くことは、ほぼ全てのゲームがBlunderによって終了しているということだ。Blunderとは、あえて定義したら、駒落ちしてしまう手を打ってしまうこと、となるかもしれない。 駒落ちする場合とは、タダ取りされる手を打つ、相手のタクティクス・コンビネーションに気づかずそれを実行されてしまう(タクティクスの結果としてタダ取りされる)、という二通りがあるだろう。

 そして、結局1400程度にとどまっている理由というのは、毎回のゲームで何らの反省もなく「うっかりミス」という名のBlunderをしまくっているという点にあると思う。 ストラテジーの知識が乏しいということは、副次的要因であっても、主要因ではない。

 したがって、一番最初の方の記事でも書いたが、とにかくBlunderを減らせば、だいぶマシになるということは確実だ。 では、どうすればBlunderを減らせるか。 はじめてレッスンを受けたウクライナIMに聞いたら「集中しろ!」なんて言われたが、集中しろと言われても、初心者には何に集中したら良いのかわからない(わからなかった)。

 それからいろいろ調べたが、ミス(blunder)をいかに減らすかという点については、いくつかの本に記述がある。 具体的には、Secrets of a GrandpatzerA guide to Chess ImprovementThe Search for Chess Perfectionが参考になった。(Purdyの本は、amazonでは高いが、たまにネットの古本屋で安いものが存在する。運が良ければ、安く買える。Bookfinder等の横断検索を使えば良いかもしれない。)

 結局、いずれの本においても述べられていることは、ミスをしないためにはそのための思考方法を確立する必要があるということだ。思考方法が自分の中で確立していれば、何に注目し・集中すれば良いのかが明らかになる。

参考までに、それぞれの本に書いてあることを要約すると以下のようになる。 

(1)Secrets of a Grandpatzer - Kenneth Markcolby
 自分の手番においてまず最初に考えるべきことは「相手が与えている脅威(threat)は何か」ということを確認することである。 具体的には、以下のように行う。

 まず、自分の手番において、自分ではなくあたかも相手の手番であるかのように考える。そして、仮に現在相手の手番であれば、どのような手を打ち、どのような脅威を与えることができるか確認する その際、チェック、キャプチャー、フォーク、ディスカバードアタック、スキュアー…等のタクティクス・コンビネーションが発生する可能性がある手は入念にチェックする。
 
 以上の検討を前提に、脅威が存在するのであれば、次に、その脅威にどのように対処すべきかということを考える。すぐに守る手を考えてはいけない。一見脅威に見えても、無視できること、あるいは、こちらからカウンターアタックを仕掛けれられる可能性があるからだ。
 当該脅威に対する対処方法を考えた後に、手の検討を行う。 もっとも、最終的に自らが打つ手を選択しても、すぐに打ってはいけない。 その手によって新たな自分にとっての脅威が生まれないか、blunderとならないかを上記手順と同様に入念にチェックする。 そして、はじめて手を打つべきである。

 以上のように、この本においては、脅威は何か、というチェックを二段階にわける。 ①現ポジションにおける脅威の確認②手を打った後の局面における脅威の確認、というように。また、自分の手番であっても、相手の手番であるかのように考えるという点において、ミス削減を徹底する。

(2)A guide to chess improvement - Dan Heisman
こちらの本では、ミスを失くすというよりも、より広く手の選択方法について述べられている。これについては、以前まとめたので、それをそのまま貼り付ける(自分用に書いたのでわかりにくいが)。


    相手の脅威の確認。特に、forcing movesの検討。
    相手のとりうるプランの確認。 自分のプランの確認。
    無条件にforcing movesはまず最初に全て検討。
    ③でタクティクス等がなければ、自分のプランを達成させる手を「全て」チェック。なければ、相手のプランを阻害する手を全てチェック。(Initial Candidate Moves)
    ④における手を、安全か(blunderに至らないか)どうかという観点から、剪定する。
    ⑤において残った手の中から、最終ポジションの比較によって最も優れているものを選ぶ。(Final Candidate Moves)


 (1)と似たようなものである。 ただ、candidate moves(候補手)の選択方法については、示唆的な記述があった。 すなわち、candidate movesをリストアップして、比較し最終的に手を選択する場合、何を比較するのかという点である。 candidate movesの比較といえば、"moves"とあることから、手そのものを比較検討すべきであるかのように思える。しかし、検討すべきは、当該candidate movesから最終的に至るポジションであるということを強調する。 
 当たり前の話といえば当たり前の話だ。しかし、なるほどと思わされた。手そのものを比較しても、何も見えてこない。 そして、逆に言えば、ポジションを評価してそれを比較するというのであれば、ポジションを正確に評価(evaluation)する能力が必要となる。 各候補手から至るポジションを評価し、それを比較する。 この作業を自信をもっておこなえるようになるには、ポジショナル・ストラテジーに関する豊富な知識が必要だろう。 そもそもそういった知識を欠いていれば、ポジションを評価するという行為自体ができないからだ。


(3)The Search for Chess Perfection - C.J.S. Purdy
 これについても、先日まとめたので、そのまま貼り付け。 なお、Purdyは自らのミスを減らすための思考方法にを"The System"と称している。


      指すべきことが明らかな手はないか?(キャプチャー等)
      手が極端に絞られており、そもそもシステムを用いる必要がないか検討。
→①・②の場合は、以下の手順を検討するのは時間の無駄。
      脅威は何か?(複数個ありうる) また、相手の手は局面に何をもたらしたのか?
      どちらが優位にあるのか?そして、どの点において優位性が存在するのか?
→⑤へ
      調査(reconnaissance)を行う(ポジショナル・ファクターの検討)
      コンビネーション(タクティクス)はないか? forcing movesは全て検討する。
      コンビネーションが存在しない場合、プランを立てる。
      Candidate Movesの検討



 まあ、結局(1)(2)とあまり変わらない。ただ、書き方としては、上記2つの本よりもこの本が一番わかりやすい。Heismanの本も、この本を真似してるんじゃないかと思うぐらい、似たような記述が多い。









なるほどなるほど・・・わかったからとっとと金よこせ!

結局2ヶ月ぐらいしか関係がなかったフィリピン人チェスコーチと連絡をとった。

ひさしぶり
「hi!
タクヤです。元気にしてますか。一段落したからレッスンを再開しようと思ってるんだ。今度はある程度長期間のレッスン受講しようと思ってるから、前みたいにちょっとぐらいディスカウントしてちょうだい。 振込みはしばらくしたらしようと思っているけど、先にどんな感じのディスカウントになるか条件教えたまえ。」

Re:ひさしぶり
「おっす!
元気にしてたかい。じゃあ、ディスカウントは、20回のレッスン料振込みで一回レッスンがフリーということでどうだい? あと、振込みは早くした方がいいよ。早く振り込んだらレッスンも早くできるからね。 だから、明日振込みに行こう! God Bless you」

Re Re:ひさしぶり
「元気そうで何より。
それより、ディスカウント前よりしょぼくね? 確か、前は10回で一回フリーだったと思うんだけど。実際、いきなり20回分のレッスン料を払うのもきついし・・前みたいに10回+1回というディスカウントでいくのが合理的でしょう!それでいいなら早いうちに振込むぜ!」

Re Re Re: ひさしぶり
「いやー、あのディスカウントは、初回だからサービスなんだよね。実際、僕の生徒には、前回提示した条件でやっているわけで、君だけそのディスカウントするのは不公平感があるよ。だから、10回+1回はきついわ。まあ、そこまで言うなら、11回+1回でどうだい? それならお互いにとって良いでしょう!
 というか、さっさと振り込もう! 明日Western Union(海外送金会社)に行って振り込もう! 明日振り込んだら今週にでもレッスンはじめられるよ! だから、明日振り込もう!明日振り込め! God Bless you!!!」


 20+1が基準で、10+1はダメで11+1はOKとよくわからないが、結局その条件でレッスンを再開することにした。 このコーチは、教え方も丁寧だし、質問したことはちゃんと答えてくれる。 ただ、行くって言っているのに、笑えてくるぐらい毎回振込催促が激しい。

 レッスンでは、タクティクスなんかをやってもしょうがないので(一人でできるから)、コーチとでなければできないことをやりたいと思う。 具体的には、自分のゲームの共同検討と特定のポジションからスタートしての指導対局をやりたいと考えている(これについては、以前に、自分から提案した)。 指導対局では、特に自分では矯正が難しい思考過程の検証をしてもらいたいと思っている。
 チェスレッスンについて紹介したブログは少なそうなので、レッスンがあればその度にどんな感じで進行していくのか紹介してみたいと思う。



2012年5月28日月曜日

Good Luck親父

ICCのアカウントが期限切れとなっていたため、新しくICCアカウントを作成した。15分ゲームを二回ほどやったが、謎のインド人に出くわした。 

イ「やあ」
私「やあ」
イ「Good Luck!!」

無視

イ「君のターンだぞ」
私「知ってる」
イ「名前は?」
私「タクヤ。あなたは?」
イ「ジェフ。 カリフォルニア生まれ、インド在住の58歳だ。昔は歯医者だった。」
私「なんでインドにいるんですか?」
イ「神を探すため」
私「神?神父か何かですか?」
イ「違う。俺は似非科学者だ。」
私「似非科学者? 何ですかそれは?」
イ「似非科学者だ。Good Luck!」
私「変わってますね」
イ「何が?俺がか?それとも神が?」
私「いや、昔はアメリカで歯医者をやっていて、今はインドで神を探している。 かといって、神父ではなく、似非科学者。 興味深いなと思って」
イ「よく言われるよ。Good Luck!」
私「インドに行って、探しているものは見つかったんですか?」
イ「見つかったよ・・・ Good Luck!」

無言

イ「gg Good Luck!!」
私「gg」

2012年5月27日日曜日

つれづれ

1.危うく・・・  
先日、友人とOTBでチェスをやった。前からチェスしろよと薦めまくっていたが、結局ルールを覚えたぐらいであまりやっていなかったようだ。 時間制限なしで3戦、私が黒持ちで一応全勝したが(当たり前だ!)、特に最後のゲームは負けるところだった。ルールを知っているぐらいなので、圧勝だろうと思っていただけに危なかった。 聞いてみると将棋をやっていたらしい。 私は将棋の経験はほぼゼロに等しいが、将棋をやっているとこんなに違うものなのかと驚いた。 いやー危なかった。

2.ロングゲーム
先日、ブログで相互リンクを貼らせてもらっている紙吹雪さんと対局した。 60分30秒。さすがにこれだけ長いと考える時間が多いから普段は読み諦めるようなところでも最後まで考えることができて、満足にプレイできる。棋譜の紹介は、紹介されるということなので、こちらではしないが、また今度やりましょうということになったので楽しみだ。

3.暴言チャット
chess.comではあまりないが、たまに暴言を吐くプレイヤーに出くわす。
だいぶ前に負けたゲームで、オーストラリア人の馬鹿に「おい悔しいか、ジャップ。お前は馬鹿なジャップだから負けても仕方ないよな。ジャップジャップ。」なんて言われた。(今までネット上でろくなオーストラリア人に出会ったことがない。) 最近は、暴言チャットも無視するようにしていたが、さすがにこれにはふざけんな!とむかついた。
うるせーこのオージー・ビーフが、お前はクジラと心中してろ、などと返し、結局底辺もいいとこの肥溜めレベルの言い争いが続いてしまった。しかし、さすがにこういうことをやっていると自分のレベルも下がる。

一般的に、暴言プレイヤーは無視すべきとされるし、私も無視するようにしている。しかし、上記のような馬鹿にしたコメントだと、黙っているのも癪に障る。 かといって、こういったレベルの低い言い争いをするのもアレである。

人によって対応は様々なようだ。一番多く見受けられるのが、プロフィール欄のNoteにコメントを書くというものだ。
「こいつは、負けた途端放置した臆病者だ」
「俺ともう一回やるのが怖いのか。逃げるな!」
こういった熱い内容が一番多い。 しかし、そういうファイティング・スピリットに溢れたコメントもなんだか鼻息荒くいただけない。

こんなのもあった。
「人生にはいろいろなことがある。ときにはイラつくこともあるだろう。それはわかる。けどな、マイケル(適当)、チャットで罵るのはちょっと違う んじゃないか。 君はもう30歳だ。年を考えなさい。君がしたことは私に対して失礼だし、君は謝るべきだ。」 ある意味正攻法だが、ねちっこくてなんか嫌だ。

そんなこんなで先日も暴言プレイヤーに出くわした。 アラブ系だったか何人かは忘れた。
状況としては、P+K vs Kで、私が攻撃側の状況だった。しかし、ルークポーンだったので、2手先ぐらいで明らかにドローだった。 そこで、ドローオファーをしたら、拒否された。 「これステールメートだろ?」とすると、「俺は絶対にドローしない」ときた。 からかってみようと「あんた無駄に負けん気強いな。実際無駄だけど。」としたら、「ミドルゲームでまともに勝てない馬鹿は黙ってろ」なんて言われた。

別に怒ってもいなかったが、もう少しからかってやろうと「あんたは何と戦ってるんだ。そうカリカリすんな。牛乳でも飲めよ。」とすると、 なぜか逆鱗に触れてブチ切れ大爆発。暴言をまきちらし、何やら暴れまわっていた。 今度は放置したが。

ということで、その対戦相手のNoteに書き込んでみることにした。
「彼は決して諦めない! 二手先がステールメートであろうとも、彼は絶対にドローを受け入れない! キング一人でも彼は戦う! 男の中の男! 現 代のスパルタ戦士!彼はチャットでも私に戦いを挑んだ! なんてファイティング・スピリットだ!chess.comよ、彼のスピリットを評して彼にフルメンバーシッ プを与えてくれ!」(意訳)

そして、すかさずユーザーをブロック。ブロックすると、相手は私のNoteに書き込めないし、メッセージも送れなくなる。 これで長続きしない。  言いっぱなし。

すがすがしく対局を終えた。

いやー、レベルの低い世界で生きてるな!!!!!!!!!

2012年5月23日水曜日

Every russian schoolboy knows

昔からロシア人、ロシアの文化(音楽・文学)には惹かれるところがあった。共産主義・社会主義という文脈ではなく、ロシア・ロシア人の不合理さというものに興味がずっとあった。ロシアをもっと知りたいと思う一番のきっかけはドストエフスキーだと思う。高校生のころに、ドストエフスキーにはまりこんだ。よりによって、「悪霊」という強烈な作品がはじめて読んだ作品だった。 ドストエフスキーのおかげで(せいで)、ロシア人は不合理な連中だという印象が根付き、同時に欧米にはない不思議な魅力を感じた。音楽でも、神秘主義なんていう怪しげな思想にとり憑かれたスクリャービンの音楽も、思想に興味はなくとも高校~大学時代には相当はまりこんだ。

 そんなこんなでロシアには愛着というか妙に惹かれるところがあった(好きというわけでもないが)。 以前のような音楽や文学に対する熱中も薄れ、ロシアとの関わりもだいぶ希薄になってきていた。しかし、チェスをするようになって、またロシア人がちらほら目につく。実際、ロシアはチェスでは世界一のようだ。
 ロシアが世界一の分野なんてそうそうなく、なぜチェスでこれほど強くなったのかということは興味がある。ロシア人の伝説的なプレイヤーといえば、ボトヴィニク、タリ、ペトロシアン、カスパロフ、カルポフなどが思い浮かぶ、なぜこうも世界チャンピオンがロシアという国から出てきたのか。 
 標題は、ICCにあるAlex Yermolinskyのビデオ講座の名前だ。 ロシアでは、ソヴィエト時代を通じて、Russian Schoolというチェスの一派が形成されたようだ。 ボトヴィニクがその形を整えたというレベルの知識はあるが、それ以上は知らない。
 幸い、Russian Schoolとは何だったのかということについて述べている本もいくつか存在するようだ。一番大部なものとしては、Andrew SoltisのSoviet Chessという本がある。他にも、Genna Sosonkoによる一連の作品(Russian Silhouettes等)がある。Soviet Chessはハードカバーでかなり高い本だが、読んでみたい。

 チェスも他の多くのボードゲームと同じで歴史も長い。特に、チェスの場合、関わった人間が他のゲームに比べて圧倒的に多いだろう。その過程での人々との関わり、チェスがどのようにとらえられたのか、そういったことにも興味がある。単純な好奇心として、そういったチェスの一面も学んでみたい。


2012年5月21日月曜日

ポルガー二号


 ポルガー姉妹は、三人とも超優秀なチェスプレイヤーになったことで有名だ。
三女のJuditに至っては、女性唯一のレーティング2700超えという怪物級の記録を残している。なぜ彼女らが成功したかといえば、ポルガー親父に英才教育を施されたからだ。



ポルガー姉妹。左から、Susan, Sofia, Judit

ポルガー父・母


 彼は、「天才はつくられる」という持論の熱烈な信奉者だった。その熱狂ぶりとしては、子供を授かる前から「天才を育てよう!」なんていう本を出版しているほどだ。

 そんな彼としては、自らの理論を机上の空論で終わらせたくはない。自分の説を検証したい。彼は、彼の「実験」に付き合ってくれる女性を探した。そして、見つかった妻との間にできたのがポルガー姉妹だ。

 結局、ポルガー親父の実験は大成功に終わったのだが、失敗したら悲惨だっただろう。チェスだけで食っていくなんてことはスーパーエリートになるか、優秀なトレーナーにでもならない限り無理だ。しかもその実現可能性は低い。
 Juditは5歳ぐらいで既に強かったということだから、おそらく1歳とか2歳ぐらいから教育をはじめていたのだろう。しかし、そんなチェス漬けにされたら情操教育上よくなさそうだ。(ポルガー親父のことだから、胎内教育でa1は黒!とかVisualizationの教育などしてそうで怖い。)

 周りが普通のこどもの遊びをしている中、親父との暑苦しいエンドレス・チェス・レッスンなぞよく耐えられたものだと思う。


「わたし、チェスなんてもうやだ・・・」
「ポジション13! これはシシリアン・ナイドルフで・・・」
「チェスなんていやだ!!!」
「お前はGMになりたくないのか!! お父さんはもう教えないぞ!」
「(泣きながら)なりたい・・・ 教えてください!」
「じゃあ、ポジション13!!! これはシシリアン・ナイドルフで・・・」


 なんて汗臭い日常の一コマもあったのだろうか。それとも、案外ポルガー親父は自ら自負するように教育方法に関しては卓越で、三姉妹とも純粋にチェスが好きになれたのかもしれない。

 ウクライナなど旧ソ連国には、ポルガー二号となろうと失敗した親子の話が埋もれていると推測する。英才教育の成功・失敗、多くの分野でよくある話ではある。そして、旧ソ連国の場合、チェスの英才教育も盛んだから、失敗に終わったポルガー二号・三号の哀しいストーリーもたくさんあるのだろう。


たかがチェスされどチェス。チェスに人生をかける人も世界には多くいる。








アレクセイ・スルタノフ。
才能に恵まれていたピアニストであったが、彼も親の重圧に苦しんだピアニストでもある。

2012年5月19日土曜日

sometimes you just fall in love with people, and that's what happened

今日は最高に疲れた。 電車の中で死人みたいな顔だったと思う。

以下は、以前書いたまま放置していた記事。






とてつもなくどうでもいい話
 - I fell in love with her... -

 つい最近、クラムニクとアロニアンの対局があった。 アロニアンについて調べていると、むなしくなるような馬鹿らしくなるような話があった。

 アロニアンは現在ある女性IMと結婚している。 しかし、彼女と結婚する前にこんなことがあったようだ。

 イギリスのGM Gormallyもまた、その女性IMのことが好きだった。 ある大会の後、彼はアロニアンが彼女とサルサを踊っているのを発見した。 彼はそれが許せなかった。なぜなら彼は彼女を愛していたからだ(もちろん片思い)。俺のArianneに触るな!怒りに任せてアロニアンの顔面に一発。
 結局、そのニュースは知れ渡ってしまい、彼はチェスを事実上引退した。GMというタイトルを取得したにも関わらず。

なんともアレな話である。写真を見るとすごく真面目そうな男だし、彼なりに純情に恋していたんだろう(そんな年じゃないけど)。 馬鹿というか阿呆というか、全く同情はできないが、こういう無駄なところで無駄に瞬発力があるタイプはストーカーになりそうだ。恋愛経験もなさそうだ。まあ、それはどうでもいいか。

 とはいえ、現代ではインターネットがあるから世知辛い世の中になったとは思う。なにせ、彼の名前をwikipediaで参照すると、wikipediaの本文においてもこの事件について述べられている。もちろん、彼のむなしい悲痛の叫びは、wikipediaの冷たい散文調からは聞こえない(聞きたくもないけど)。
 そして、Gormally = アホ、というレッテルは一生消えない。 よりによってチェスのコミュニティは狭そうだから、いかにも小心者そうなこの男には耐えられないだろう。 仮にチェス界に残っても、意地の悪そうなイギリス人チェスプレイヤーたちのひそひそ話の格好の餌食になるだけだろう。



((Dr.John Nunnがあのファービーのようなギョロ目でヒヒヒと笑っているのを想像したら笑えた



John Nunn大先生。15歳でオックスフォード大学を1530年以来の最年少で入学したという天才。数学者でもある。当然チェスも超強い。 ルーク・ポーン・エンディングをポーンの数1~8個の場合全てについて検討した本を出すほどのパラノイアレベルの完璧主義者。髪型だけピアニストのゾルタン・コチシュに似ている。))


 インターネットの情報を完全に消すことは不可能だし、結果、こんなしょうもない事件で彼は一生負い目を感じなければならない。 それどころか全てを失った。 東大教授が痴漢をして捕まって辞職したという話が以前あったが、もっとしょうもない話で人生かけて積み上げたものを失ったわけである。

なんとも哀れな男である。



(ちなみに、Gormallyのインタビューも一応存在する。言っていることを読むと、こういうタイプって言うこと同じだなあと思う。インタビューの最後のニ行はむなしい。)

2012年5月15日火曜日

オープニングソフトさまざま

 オープニングを学習する場合、ラインを覚える必要がある。その数が膨大になると管理が大変だ。したがって、自らが学習したオープニングのラインを記録しようとするのは自然な発想だ。もちろん、ラインの記録はWordやExcelでもできる。しかし、オープニングに特化したソフトも存在するようだ。

オープニングソフトで一番有名かつ信頼が寄せられているのは、Chess Openings Wizardというソフトのようだ。エリートGMのPeter Svidlerも使っているらしい。しかし、このソフト結構高い。  もう一つ、Chess Position Trainerというものがある。このソフトは、機能制限があるが無料でも使えるようだ。また、前者のソフトよりは安い。

もっとも、今の私のレベルでは、十数手先までオープニングのラインを覚える必要性は乏しいし、あまり意味はない。今は、タクティクス・エンドゲーム・総論的なストラテジーの学習に重きを置くべきだろう。 おそらく、上達すれば、特定のオープニングから発生する典型ポジションにおけるストラテジーや、オープニングのラインの記憶といった、より各論的な学習が必要になると思う。そういったオープニングの学習がまさに必要になる段階では、こういったソフトは有用だろう。
これからゲーム後の復習に際しては、オープニングも少しは参照しようと思っている。そのときにこういったソフトを使ってみてもよいかもしれない。



2012年5月13日日曜日

チェスメイト

イタリアンのゲームが来たときには、Two Knights Defenceをするようにしている。 Two Knightsの場合、最初からforcing moveが多い手順が多いので、ある程度定跡を覚えていないとすぐに死んでしまう。

先日、15m10sのLive Standardをで、アメリカ人とプレイした。結果的には負けたが、その後チャットで話していると、また今度やろうみたいな話になった。今日chess.comにつなぐといたので、数回プレイした。ひたすらTwo Knightsのゲームをunrated blitzでやるという方式でやったが、これをやるとオープニングに慣れるから結構面白い。 練習したいオープニングがあるときは、こういうふうにブリッツでやりまくるというのも良いかもしれない。

チェスの場合こういうスパーリングパートナー的な相手を見つけるが結構難しいから、相手が見つかって良かった。 最後に、今度スローゲームもやらないかともちかけたら、ノリ気だった(最近は、チャットで話す機会がある相手には片っ端からこうやって誘いをかけている)。

インターネットでチェスをやると、不特定の相手とプレイすることになる。したがって、コミュニケーションをとることができない。 私としては、チェスだけじゃなくて、他の話もしてみたいので(もちろん、チェスの話もしたいが)、こうやって特定の相手とゲームをするというのも面白い。

2012年5月11日金曜日

エンドゲーム・・・

chess.comで15m10sで2ゲーム連続してドローだった。いずれも、負けていたけれど、最後に盛り返してなんとかドローにこじつけた。しかし、ソフトで見てみると、いずれのゲームにおいても、正確にエンドゲームをプレイできていたら、勝てたようだった。(特に2つ目は、最後に致命的なミス)
 少しずつ、まともにエンドゲームにたどり着くゲームが増えてきた。逆に言えば、エンドゲームで強くなったら、もっと良くなるのだろうと思う。当面の課題はエンドゲームだ。(チェスだけじゃないけれど・・・)
 考えてやると15m10sだと全然時間が足りない。 タイムインクリメントがあるから、10秒加算に助けられつつ、終盤で適当にプレイすることになってしまう。 しばらくしたら、時間が長いゲームを中心にやっていきたい。紙吹雪さんとも今度長い時間のゲームをやりましょうということになったので楽しみだ。長い時間のゲームをする相手を見つけるのは難しいらしいので、なおさら相手が見つかってうれしい。 長い時間のゲームをすれば、もっと「考える」という実感が味わえそうだ。


2012年5月9日水曜日

パターン認識

チェスでは、パターン認識が重要だと言われる。実際、Adriaan De Grootの実験にはじまり、マスターとアマチュアの間の最大の差の一つとしてパターン(チャンク、チャンキングなどとも呼ばれる)のストック量の違いが指摘されることが多いようだ。 実験の示すところによれば、マスターは深い手を読んでベストムーブを選ぶというよりも、より多くの手を検討し、それほど深い手まで読まずに手を選択するらしい。なぜ、それが可能かということを説明する理由として、パターン認識能力が挙げられた。

パターン認識というのは、チェスに限った特別なものではない。およそ習熟を必要とする分野においては、共通の学習過程だと思う。パターン認識の肝は、思考の省略可にあると思う。中学高校で習う因数分解なんて、まさにただのパターン認識だろう。 大学受験の分野で和田秀樹という人がいる。和田秀樹は、数学の学習方法としてチャート式という数学の問題集を「覚える」ことを推奨する。和田秀樹曰く、難しい問題であっても、チャート式にあるような問題に分解して考えれば、解くことができる。 和田秀樹の主張の骨子は、そういった問題のパターンを自分の中にストックすることで、類似の問題が出てきたときに、そのストックをツールとして問題を解くということにある。

私は数学はどちらかといえば好きだったので、最初はうさんくさいと思っていたが、実際やってみるとそれなりに効果はあった。 数学というと考えることが重要で、暗記なんてものとはほと遠いように思える。しかし、数学オリンピックの問題を解くならいざしらず、ふつうの大学受験程度の問題では、創造性が試させる問題はほぼない。結果、数学が苦手というのでなければ、たいていの問題はチャート式レベルの知識でも大体解けてしまう。

チェスも同じなのだと思う。例えば、エンドゲームなどその典型ではないか。詳しくは知らないが、エンドゲームにおいても、いくつかの覚えなければならない必須のパターンというものが存在する。初めてそれらの問題を見るときは、考えて解かなければならない。しかし、一度考え方を覚えてしまうと、それらはパターンとしてストックされる。したがって、同じ状況の局面が現れたときには、思考を省略してほぼ自動で解くことができる。 何かの記事で読んだが、女性GMのアレクサンドラ・コステニュークも、100 Endgames You Must Knowをフラッシュカードにして全て一瞬で解けるようにまでしたらしい。 まるで大学受験だ(和田秀樹も、カードにして覚えるという方法を推奨していた)。

こういったパターン認識は、タクティクスやエンドゲームでは強調されるが、ストラテジーの分野ではあまり聞かないように思える。しかし、ストラテジーでも同じだと思う。それの完全体のようなものとして、ポルガー姉妹の父親のLaszlo PolgarのMiddlegamesという本がある。この本は、ストラテジーだけではなく、タクティクスも含まれているようだが、なんと4000個以上のポジションが掲載されているようだ。 確か、Studying Chess Made Easyか何かに書かれていたが、ポルガー父はいつも興味深いポジションがあると思ったらそれらを保存し、娘たちに解かせていたらしい。この本はその副産物なのかもしれない。

パターン認識はその量が増えれば増えるほど、最終的には直感に結びつくのだと思う。 例えば、5000ポジションにおいて、どのポジションにおいても即座にベストムーブが選べることができるとしたら、それが実戦においてどれだけの効果をもつかは明らかだろう。

したがって、結局チェスの学習においても、パターンの数を増やそうと努力することが一番合理的な方法なのではないかと思う。 惰性で勉強すると、問題→理解という段階で学習を終えてしまう。結果、わかったつもりになってすぐに忘れる。 しかし、問題→理解→記憶を意識的に行えば、より効果があるのではないかと思う。
単なる「理解」というのは何の役にも立たない。それをほぼ自動的にできるレベルに達しなければ、自らの血肉となる知識にはならない(もちろん、逆に、理解なくして暗記することも意味がない)。野球で変化球の投げ方を理解したとしても、それを考えなくともできるようにならなければ使い物にならないのと同じだろう。

ただ、ここまでいくとチェスというより勉強になってしまう。そこまで必死にチェスをやる価値はあるのかどうかはわからない、いや、多分ないだろう。  しかし、どうせやるなら、時間が限られていても、ダラダラと惰性でやりたくはない(という願望)。

2012年5月6日日曜日

少しずつ



ついさっきのゲーム。最近のゲームでは、一番よくできたと思う。ストラテジーはほとんど勉強していないが、Seventh Rankをルークで占めることが重要であることぐらいは知っている。ゲームでは、21手目でポーンをサクリファイスしてSeventh Rankを占領することができた。以前は、こういう手は思いつかなかった。少しは成長したのかもしれない。 
また、継続して、Blunderだけはしないということは一番気をつけるようにしている。 おそらく、前ならビショップとルークをエクスチェンジした段階で安心しきって雑なプレイをしていただろうけれど、今回は最後まで気を抜かないようにプレイした。

最近は、ゲームはICCの方がよくしている。実際、Blunderをしないということを心がけてから、大分良くなった。ICCの15mでは、レーティングが一時1550ぐらいまで行った(現在は1500ぐらい)。 成長しているとするならば、素直にうれしい。 
とはいえ、私が考えているチェスの学習プランは未だ全く実行していない。プラン通りにやってみるとどれぐらい成長するのか楽しみだ。 もっとも、私は典型的な計画倒れタイプなので、環境分野のキーワードではないが、少なくとも「持続可能な発展」を望みたい。

ピアノと同じで、自分はうまくなれるかもしれない、と希望をもつと楽しくなる。 「学ぶ」ということに共通の醍醐味だろう。 チェスをする目的は、人によって様々だろうけれど、私の場合は上達の喜び、または、上達することへの期待が一番大きいかもしれない。

レーティングとチーター

1.高レーティングの信憑性
レーティングは、プレイヤ-総数の中で相対的に決まる値であるため、チェスサイトによってレーティングの基準がかなり異なる。Chess.comのStandardのレーティングを見ていると次の特徴に気づいた。レーティング2000を越したあたりから、うさんくさいプレイヤーしかいないということだ。1900以上でも十分怪しい。勝率90%なんていうありえない人が多い。また、試合数が一桁という人も非常に多い。こうなると、ある程度のレーティング以上になると、もはやレーティングの意味がなくなっているように思える。

大学受験の偏差値と同じかもしれない。レベルの低い模試だと、偏差値75以上とかになるともはや基準値としての意味がなくなるように。 したがって、Chess.comのStandardにおいては、まともにレーティングが算定されるのは、1900後半ぐらいまでと推測する。(Online chessやBlitzは、Standardに比べれば、比較的信憑性は高そうだけれど)
その点、レーティングが高いレベルにおいてもある程度信ぴょう性を保っているのはICCだろう。ICCは、Blitzだとレーティングが3000を超すなど異常高騰しているという面は確かにあるが(ナカムラヒカルの歴代最高記録は3750)、いつもIMやGMが対戦しているため、上にいっても数値はまだ意味をもっていると思われる。 特に、Standardは比較的信憑性が高いのではないか。
 ちなみに、Dan Heismanは目安として、ICC Standardのレーティング-150がUSCF/FIDEレーティングに相当するとしている。

2.チート対策
また、ICCはチーター対策が一番講じられているように思える。 チーター捕獲方法は公開されていない。しかし、この記事なんかを読むと(要約すれば、ICCでプレイ中にFritzを別目的で使っていたら、ICCスタッフからチートするなという警告文が来たという文章)、ICCは他に起動しているソフトも監視している可能性が高そうだ。実際、もし仮に、この記事の話が本当で、かつ、起動ソフトの監視まで行なっているとするならば、かなりの成功率でチーターを捕獲できるだろう。したがって、ICC自身がヘルプにおいて自信満々に述べているように、ICCはチーターの数が他のサイトより遥かに少なそうだ。

 そう考えると、強い人にとってはICCでプレイするのが一番なのだろう(上に行けば、マスタ-ともプレイできる)。 また、絶対にチーターに遭遇したくないなんて思う人はICCの方が良いのかもしれない。

2012年5月2日水曜日

CHESSBASE11の機能1


 

 CHESSBASE社のソフトは機能が多いのに使い方がわかりづらい。また、そもそも日本語に対応したソフトではないためか、エラーも多い。最新版のCHESSBASE11に至っては、解説書すら存在しない。本来なら、機能も豊富で、良いソフトなはずなのに、機能をフルに使いこなせないのが残念だ。(ただし、CHESSBASE10の解説書はCHESSBASE社から配布されている。)

 使いづらいという欠点はあるものの、いじっていると面白い機能がたくさんある。CHESSBASE11には、特定の対戦相手に対して準備をする機能がある。なかなかすごい機能で、大きなデータベースさえあれば(MEGADETBASE, BIG DETABASE等)、そのプレイヤーの公式試合のほぼ全てのゲームを閲覧することができる(最新ゲームは、The Week In Chessでダウンロードできる。CHESSBASE11には、TWICからゲームをダウンロードする機能がある。)。
 そして、そのゲームを前提に、プレイヤーの用いるオープニング、特定のオープニングに対する戦績、オープニングの使用頻度、トーナメントでの成績、レーティング推移、顔写真、といった情報につきストーカーレベルで調べることができる。 この機能は、おそらくマスター達が相手に対してオープニングの準備をするために設けられたのだろう。

 この機能自体は前から知っていたが、違う用い方もできることに気づいた。Chess.comでは、「プロフィール画面→Games→Show More(画面一番下) → ゲームタイプの選択 → Download All My Games in One PGN(画面一番下)」 という手順でchess.comでプレイした全てのゲームをプレイできる(他人のゲームも同様にダウンロード可能)。
 このままだとただのpgnファイルだが、CHESSBASEでデータベースファイル(cbh)を作成し、その中に自らのゲームを入れる(pgnファイルからコピペするだけ)。 これによって、自らのゲーム集を前提としたデータベースを作れる。 そして、もちろん、このデータベースにおいても、同様に対プレイヤー準備機能を用いることができる。
 
 そして、準備する相手として自分を選択すると、自分のゲームの傾向を見ることができる(上記ファイル参照)。これは、私が白番をもった場合のゲーム統計だ。  特定のオープニングに対する戦績、あるラインを選択する頻度、最近よく用いているオープニングのライン(hot)、などが表示される。これによって、自分がどういうラインに対して苦手なのかということがわかる。 

 まだ私のレベルでは、特定の相手に対してオープニングを準備する必要はないが、CHESSBASEはこのように様々な機能がある。使い方次第では、強力なツールになるだろう。これからも少しずつ、機能をチェックしていってみたい。

2012年5月1日火曜日

いくつかの気づいたこと

とにかくblunderだけをしないようにということだけを注意すると、かなりゲーム内容がマシになったように思える。ICCで15mのゲームを何回かやったが、調子よくできる(ICCのアカウントが期限切れとなっているので、弟のアカウントでやった)。 さすがにblunderだけはしないようにと思うとblunderの数は劇的に減る。この方法でやっているうちに、いくつか気づくことがあった。

(1)エンドゲーム学習の必要性
お互いがblunderをすると、そもそもエンドゲームに到達しにくい。私自身も、ピースが失くなったら、すぐに投了し、相手にも同じ人は多いため、中盤で終了することが多かった。しかし、ミスはあれどもblunderがなければ、エンドゲームに到達する。特に、K+PやK+Rのエンディングに到達しやすい。
こうなるとエンドゲームを学習する必要性を感じる。そして、エンドゲームにおいて強くなれば、相当自分の実力も向上することになるだろう、と思う。

(2)相手ももちろんミスをする
亀のようにblunderだけはしないと念仏のように頭で唱えていると、もちろん自分のミスは減る。そして、相手のミスにも気づきやすくなる。blunderをしないようにと考える思考過程において、相手の応手を考えるためかもしれない。一般的に、「変な手」、特に、駒を妙な場所に置く(misplace)するような手というのは、タクティクスの発生可能性が高い。(この点については、Dan Heismanの"The Seeds of Tactical Destruction"において詳しく述べられている。)
したがって、とりあえず自分はblunderをしないよう心がけ、相手がblunderをすることを待つだけでも、それなりにゲームはよくなる。ポジショナルなミスというのは、私自身にそれを追及する実力はまだないと言わざるを得ない。しかし、blunderであれば、しっかりとcalculationができたら追及できる。
Michael De La MazaがRapid Chess Improvementにおいて述べたことではないが、calculation/visualizationの力があり、タクティクスを高度の確率をもって成功させる能力があれば、ストラテジー各論の知識がほとんどなくとも、相当勝てるのだろうと思う。 もっとも、そのためには、まず自分がミスをしないことが重要だろう。

(3)諦めない
これは(2)に関連する。仮に、自分がblunderをしてしまい、相手にそれを追及されて駒落ちになったとする。それでも、ゲームを諦めるべきではない。なぜなら、(2)で述べたように、その後でも相手がblunderをする可能性は十分に高いからだ。自分が駒落ちしても、自暴自棄にならず、ひたすら亀のように待っていたら、やっぱり相手はblunderをする。そして、ドローあるいは勝つことさえできる。

(4)ディフェンスも楽しい
ディフェンスはアタックに比べればつまらないように思える。しかし、ディンフェスもなかなか楽しい。一見相手が攻めてきているように思えても、完璧にディフェンスをすれば、そもそも不完全なアタックであったということは多い。 特に、私のような初心者のレベルだと、無駄にサクリファイスをして、アタックのイニシアティブをとろうとするプレイヤーが多い。しかし、厳密なcalculationに支えられていないサクリファイスは、たいてい単なるblunderだ。
もっとも、キングが露出してしまったような場合には、相手が一定時間はイニシアティブをとりやすいのは事実だ。そういったディフェンスが難しくなる局面で守り切るというのも楽しい。かりそめの攻撃というのは、長時間は続かない。ここさえしのげれば勝てる、と思うと、ディフェンスも楽しい。

(5)時間が足りない
ある程度考えて手を打つと、15mや15m10sでは時間が全然足りないことに気づく。特にエンドゲームに至る段階においては、プレムーブ(相手の手番で手を事前に打つこと)連発なんてことになってしまう。 やはり、15分という時間は短い。もっと長い時間でゲームをする必要性を感じられるようになった。